八ヶ岳は巨大な山塊である。
尾根続きの美ヶ原や霧ヶ峰を含めると、
規模と標高は中央アルプスと遜色はない。
もし、日本アルプスを定めす際に発言力があれば、
中央アルプスを「西アルプス」、八ヶ岳を「中央アルプス」奥秩父山塊を「東アルプス」
とすることを主張しただろう。
この記事では、八ヶ岳全体を眺めることが出来る場所を紹介する。
登山では、山と高原の地図 「金峰山・甲武信」「富士山 御坂山地・愛鷹」「北岳・甲斐駒」を参考にしてほしい。
1.金峰山から眺めた八ヶ岳

登山を始めてすぐの頃、瑞牆山に登った。
花崗岩の巨岩が乱立しコメツガの黒い森が印象に残った。
もちろん山頂に達したときの達成感と八ヶ岳と金峰山の雄姿は素晴らしかった。
「いつか金峰山や八ヶ岳に登りたい」と思い、この時が来た。
深夜の信濃川上駅から瑞牆山荘を経由して金峰山を登る。
積雪こそはしていないが、とても寒い。
その分、空気が澄み星空に星々が輝く。
落葉後の木々の枝の隙間からの星空に心を奪われる。
星空を満喫しながら、瑞牆山荘に着く。
ここからは登山道だ。
ヘッドライトの明かりを頼りに登山道を進む。
暗くてもこの辺りの森は美しい。
金峰山は2500mを越える高峰であるが、
森林限界が高く山頂付近まで黒い森が広がる。
砂払ノ頭付近から視界が一気に開ける。
富士山、南アルプス、御嶽山、小川山、茅ヶ岳、瑞牆山が良く見える。
もちろん八ヶ岳も良く見える。
周囲の瑞牆山や男山、横尾山からも八ヶ岳が良く見える。
金峰山からは編笠山から蓼科山までよく見え、瑞牆山が八ヶ岳を際立たせる。
2.地蔵峠・麓分岐付近から眺めた八ヶ岳

富士山と南アルプスの間には毛無山を擁する天子山地が聳える。
天子山地の視界の良い稜線からは富士山と南アルプスが大きく見える。
朝霧高原から富士山を背に毛無山を登る。
三時間程登り続けると天子山地の稜線に出る。
ここが地蔵・麓分岐だ。
地蔵峠・麓分岐を毛無山方向に進むと南アルプスや八ヶ岳方向の眺望が開ける。
展望地はわかりにくい場所にあるので、
毛無山の稜線に出たら南アルプス側を注意しながら歩きたい。
八ヶ岳は南方から眺めると、八つの峰が見えるからその名がついたという説がある。
ここから眺めると正に八つの峰が見える。
3.鳳凰三山観音岳周辺から眺めた八ヶ岳

南御室小屋から鳳凰三山の地蔵ヶ岳を目指す。
ヘッドライトを頼りに星空の稜線を進む。
徐々に空が明るくなり、山の輪郭がはっきりしだす。
甲府盆地と八ヶ岳山麓の夜景と山々の景色が美しい。
朝日に照らされる南アルプスの山々眺めながら至福の時間を過ごす。
鳳凰三山の稜線からは、白根三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、八ヶ岳が大きく見え、
奥秩父や北アルプス、富士山も見えた。
ここからの八ヶ岳は南八ヶ岳の険しさと北八ケ岳のなだらかさが良く分かる。
特に赤岳の天突くさまがかっこいい。