「鹿岳」と書き「かなだけ」と読む。
埼玉方向から高崎方向に向かうと、
西の空にドングリが2つ突き刺さった山が見える。
これが鹿岳だ。 この特異な山容は、一度見れば印象に残るだろう。
目立つ方が一ノ岳で、控えめの方が二ノ岳である。
実は二ノ岳の方が標高は高い。
一見、瑞牆山のように、「どこから登るの?」と思うが、
鎖や足場はしっかりして、スリルを楽しめる。
山頂の景色は360°の絶景で、
稜線付近の紅葉樹林も美しく、
間近に見る岩峰は大迫力だ。
鹿岳は登って良し、眺めて良しの名峰だ。
この記事では鹿岳を眺めるスポットを4ヶ所紹介する。
1.鍬柄岳から眺めた鹿岳

新緑の頃、鍬柄岳に登る。
千平駅から40分ほど歩くと本格的な登山道に入る。
植林の坂道を登ると突如巨岩が現れる。
ここから核心部だ。
カメラとポールをしまい、岩場をよじ登る。
手を離せば転落するが、足場はしっかりしていて登りやすい。
慎重に岩場を登り進め登頂すると、360°の絶景が広がる。
目の前に大桁山が大きく聳える。
四ツ又山、荒船山、小沢岳、桧沢岳、神成山そして鹿岳が良く見える。
鍬柄岳は鏑川沿いの主な山々を眺める展望台だ。
登山口から往復で2時間弱の山行であるが、とても濃密であった。
2.聖徳寺付近から眺めた鹿岳

新緑の頃、鹿岳に登る。
四ツ又山・鹿岳登山口からマメダカ峠を経由して、鹿岳を目指す。
登山口に向かう道中に、鹿岳の一ノ岳が眼前に現れる。
唐突に天を突く巨岩が現れるのでインパクトが大きい。
これから登る山が登山口から見えると登山に士気が大きく上がる。
3.マメダカ峠付近の見晴台から眺めた鹿岳

四ツ又山・鹿岳登山口からマメダカ峠までの道は進むにつれて、
杉の森から広葉樹の森に移り変わる。
登山道の近くを流れる小さな沢も美しい。
マメダカ峠からは稜線歩きだ。
新緑のトンネルを進む。
時折ツツジなどの花々が咲き、癒される。
マメダカ峠と鹿岳のコルとの中間地点に見晴台がある。
眼前に鹿岳が迫る。
若葉色と空色、岩肌色が美しい。
一ノ岳の岩壁の若葉色からは、樹木の力強さを感じられる。
マメダカ峠付近の展望台からは鹿岳の他にも、
大桁山、鍬柄岳、妙義山、高岩が良く見える。
ここまで来れば、鹿岳の岩場はもうすぐだ。
4.黒瀧山馬の背付近から眺めた鹿岳

鹿岳の岩場を越えて鹿岳の二つの頂き一ノ岳と二ノ岳を登る。
両方とも西上州の山々が広がる展望台だ。
頂上の南西には新緑の美しい山が聳える。
これが黒瀧山だ。
登山日の西上州は一日中快晴であったため、黒瀧山にも登ることにした。
鹿岳のコルから鹿岳登山口を経由して折り畳み自転車を回収し黒瀧山入口に下る。
黒瀧山登山口まで標高差342mを折り畳み自転車を押して登り不動寺に着く。
この山は千年以上の歴史があり、荘厳な雰囲気がある。
ここから黒瀧山の登山道に入る。
樹林の道が終わると両端の切れ落ちた馬の背に入る。
鹿岳と四ッ又山方向の眺望が良い。
黒滝山の最高地点の観音岩までは、新緑のトンネルと岩場が続き退屈がない。
観音岩に立つと360°の絶景が広がる。
桧沢岳、小沢岳、四ツ又山、鹿岳がハッキリ見える。
ここから眺める鹿岳は一ノ岳と二ノ岳がよく見え、岩肌も多く見え迫力がある。
西上州の青葉が萌える山々を目に焼け付けて下山した。