荒川三山を眺める

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南アルプス南部にある悪沢岳、中岳、前岳をまとめて荒川三山という。
このあたりの山域の山々は谷が深く大迫力に見える。
ここでは荒川三山の眺めスポットを4つ紹介する。

登山では、山と高原の地図 「富士山」と「塩見・赤石・聖岳」を参考にしてほしい。

1.地蔵峠・麓分岐付近から眺めた荒川三山

地蔵峠・麓分岐付近から眺めた荒川三山
地蔵峠・麓分岐付近から眺めた荒川三山

富士山と南アルプスの間には毛無山を擁する天子山地が聳える。
天子山地の視界の良い稜線からは富士山と南アルプスが大きく見える。
朝霧高原から富士山を背に毛無山を登る。
三時間程登り続けると天子山地の稜線に出る。
ここが地蔵・麓分岐だ。
地蔵峠・麓分岐を毛無山方向に進むと南アルプスや八ヶ岳方向の眺望が開ける。
赤石山脈と天子山地の間には白根南嶺が聳えるが、
黒河内岳(笹山)の南方から笊ヶ岳の北方にかけては、標高が下がる。
そのため、地蔵峠・麓分岐付近からは荒川三山と塩見岳が良く見える。
展望地はわかりにくい場所にあるので、毛無山の稜線に出たら南アルプス側を注意しながら歩きたい。
荒川三山と塩見岳以外にも聖岳、赤石岳、塩見岳、間ノ岳、北岳、八ヶ岳を眺めることが出来る。

    2.千枚岳から眺めた荒川三山(悪沢岳)

    千枚岳から眺めた荒川三山(悪沢岳)
    千枚岳から眺めた荒川三山(悪沢岳)

    椹島-千枚小屋-荒川三山-赤石岳-赤石小屋-椹島に至る縦走をした。
    バスを乗り継ぎ9:00頃に登山口の椹島に着く。
    基本的に暗い時間から登山私にとって慣れない時間からの登山だ。
    千枚小屋付近までは樹林帯歩きで森が美しい。
    椹島と千枚小屋の中間地点付近に見晴台がある。
    尾根尾根の間から翌日歩く稜線が見えて気が高ぶる。
    更に登り続け、本日の宿の千枚小屋に着いた。
    小屋付近からは富士山が良く見える。
    翌日は夜明け前から赤石小屋を目指すので、
    千枚小屋から悪沢岳付近は暗いうちに通過することになる。
    奇跡的に昼過ぎでもガスが出ていなかったので、千枚岳まで行くことにした。
    千枚岳の山頂に立つと悪沢岳のお出ましだ 。
    間近に見るととても大きい。
    「明日はここを登る」のだと思うと興奮が止まらない。
    暗くなるまで、その場にいた。

    3.悪沢岳から眺めた荒川三山(中岳,前岳)

    悪沢岳から眺めた荒川三山(中岳,前岳)
    悪沢岳から眺めた荒川三山(中岳,前岳)

    夜明け前、赤石小屋に向けて千枚小屋を出発した。
    悪沢岳を過ぎたころ徐々に明るくなっていった。
    360°絶景だ。
    北方は双耳峰の塩見岳が姿を見せている。
    東方は朝日に焼ける空の下、雲海の先に富士山が頭を出している。
    南方は大倉尾根を広げた赤石岳が堂々と鎮座している。
    そして西方は茜色の空の下、朝日に照らされた荒川中岳と前岳が輝いていた。
    感動の一言だ。
    その時「美しいという言葉はこの景色のことだ」と思った。

    4.前岳から眺めた荒川三山(中岳,悪沢岳)

    前岳から眺めた荒川三山(中岳,悪沢岳)
    前岳から眺めた荒川三山(中岳,悪沢岳)

    荒川三山の稜線歩きを楽しむ。
    火照る体に秋の冷たい風が吹く心地良さ、
    南アルプス南部の山の深さ、
    日が昇るにつれて色を変える荒川三山と赤石岳の美しさ、
    そして、荒川三山を歩いていることを全身で感じながら赤石岳に向かう。
    荒川前岳に着き、今まで歩いてきた道を振りかえる。
    3000mの稜線がそこにあった。
    秋の南アルプスは早朝は晴れていることが多いが、
    昼になるころにはガスで視界が悪くなることが多い。
    徐々に赤石岳の東側に雲がたまり始めていた。
    間もなく視界が悪くなると思い、この景色を目に焼き付けた。